高学歴、挫折知らずの学生が「レジリエンス」を押さえて置かないと社会に出てから複雑骨折することになる

resilience

著者:なっちゃん
某有名私立高 ⇒ 東京大学 ⇒ 外資系企業へと進もうとしている。挫折とは無縁の美麗な履歴書を持つ努力家女子。

最近、ダボス会議はじめ、あちらこちらで「レジリエンス」という言葉が話題になっているのはご存知だろうか?

元は心理学の用語で、柔軟性とか生き抜く力とかって意味なのだが、言い換えると挫折から立ち直る方法、逆境に立ち向かう精神力を構成する方法と言える。

このレジリエンスを押さえておかないと、特に高学歴で挫折知らずの私達が取り返しのつかない負のスパイラルに落ちてしまうのだ。

私の見た「レジリエンスの有無が人生を分ける瞬間」

タイトルを見て、なにを大げさな…と思うかもしれないが、実際に周りでレジリエンスの有無が人生を分けた例をたくさん見てきた。

代表例が就活である。東大生で内定を取れない人が意外と多いのをご存じだろうか(彼らの多くは留年や海外留学、大学院進学などを選ぶため、進学実績上には露見しない)。

能力は内定を獲得している他の学生と正直大差ない。しかし、高い学歴を持っているからこそ、たまたまその面接での自分のパフォーマンスが悪かっただけなのに、目の前の案に対してフィードバックされているだけなのに、不合格という結果が自己否定につながり、プライドを傷つけられた気がして負の感情が増大していく。

挫折を知らない者が陥りやすい負のスパイラル

小さな負の感情も山積していくと、自らの価値を否定されたように感じ、その逆境・苦境に堪えられなくなっていく。そしてパフォーマンスはどんどん悪くなっていき、東大生なら目をつぶってもとってくれそうな企業ですら内定をくれない事態に陥っていく。

これまで挫折を知らなかったからこそ、出鼻をくじかれただけで、そのまま負の感情を消化できずに負のスパイラルに落ちていく。

今まで「テストを乗り切る能力」を武器に上手いこと生きてきた高学歴組は、就活になって初めて「あなたという人間」を評価されているように感じるため、そこでの一撃に堪えられないくらい脆いのかもしれない。

しかし安心してほしい。過去の苦労経験がレジリエンスを強くする限りではないことが、研究結果により明らかになっている。辛い経験の蓄積よりも、意思のありよう、言い換えれば気の持ちよう、気持ちの切り替え方法さえ見つけてしまえばいいのである。

レジリエンスが強い人間の特徴とは?

そもそもレジリエンスが強い人とは、

  1. 肯定的な未来指向性:未来に対して常に肯定的な期待を持っていること
  2. 感情の調整:感情のコントロールが適切に行えること
  3. 興味・関心の多様性:興味・関心をさまざまな分野に向けていること

と言われている。(参考:「レジリエンス」とは? – 『日本の人事部』

では、どうすればそうなれるのだろうか?

以上によると、

  1. 十分な休息を取る
  2. 仕事とプライベートのポジティブサイクルをつくる
  3. 仕事の貢献相手への共感接点をつくる
  4. 自分の仕事を見直す

とある。

十分な休息は良いとしても、それ以外の3つは社会に出てからの話だ。 高学歴組は学生のうちから「就活」という壁にぶつかっているのだ。 悠長なことをしていては取り返しがつかない事態を招くことになる。

特に高学歴組が就職する先は今以上に本当の意味でハイスペックな人材が集まるような有名一流企業がほとんどであり、そこでの壁は就活とは比べ物にならない。学生のうちはかすり傷で済むことでも、社会では複雑骨折の大怪我になる。

そこで提案したいのが、大学生、それも就活を迎える前に自分なりのレジリエンスを身につけておくことである。

以下に、身につけるための3ステップを紹介する。

身につけておくべきレジリエンスの3ステップ

  1. 一度その事象から離れてみる(これは準備段階的な感じ)
  2. 自分のこととしてではなく、他人事としてとらえてみる(客観視する)ことで事実を受け入れる
  3. その事象と改めて向き合い、次に活かす反省点や改善点を吸収する

1.一度その事象から離れてみる

余暇活動に一旦集中することで特定の事象から距離を置く。悪く言えば現実逃避ともとれるが、この冷却期間は必要。

このときにどんな方法をとるかはあまり重要でなく、好きなことや楽しいと思えることなど、一時的に自分が自然と集中できるものであれば何でもよい。

手法の例:読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、ドラマ一気見、寝る、美味しいものを食べる、パーッと遊ぶ、ひたすら料理する、お酒を飲む、編み物する、スポーツする…など

2.自分のこととしてではなく、他人事としてとらえてみる(客観視する)ことで事実を受け入れる

一旦距離を置いた事象をとらえなおす段階。慣れてくると一人でもできるが、その事情とは直接関係のない第三者に話してみると整理しやすくなる。一人でやる場合は紙に書きだす手法をおすすめする。(文章でも図示でも良い)

結局あのとき起きた不幸な出来事とは何だったのか。これを一つ一つ冷静に確認していく作業となる。感情に流されているうちは絶対にできない作業である。

言うなれば、感情のままに書きなぐったラブレターを、翌朝冷静になって読み返す作業に似ている。

手法の例:他人にその事象について叙述してみることで事実関係を整理、その事象自体を図示したり、書き出すことで事実関係を整理

3.その事象から次に活かす反省点や改善点を吸収する

「2」で事象自体を整理したことで、そのように自分の思い通りにいかない事態や自分が負の感情を抱く事態を招いた原因を特定可能となる。

そして、それを改善するには自分の何をどう変えるべきか、または自分ではなく周囲や自分を取り巻く環境のどこをどのように変えるべきかを考える段階に移る。

そうすることでその事象から前向きなアドバイスを得られることになるし、嫌な出来事それ自体を消化できる。

手法の例:「2」で整理した事実関係を元に原因を追究していく。どう改善すべきかについては、先輩や有識者にアドバイスを求めるのも有効。

上記の3ステップを「失恋」という事象に適用した場合

失恋後、上記の3ステップを適用してその痛手から立ち直ったエピソードを例に、より具体的に説明してみる。

1.一度その事象から離れてみる(これは準備段階的な感じ)

たった一度しか起きていないことも、何度も再生されると何度も起きたことと同じようになってしまう。だから、一度離れることは絶対に必要なのだ。

友達とひたすらお酒を飲む、大泣きする、カラオケオールする、お菓子食べまくる

2.自分のこととしてではなく、他人事としてとらえてみる(客観視する)ことで事実を受け入れる

出会いから別れに至るまでの経緯をじっくりと思い返し、時系列フローチャートを作成。一つ一つの出来事やそれによって自分の相手への見方がどう変わったか、また相手の自分への見方が変わったと感じた相手の言動など、フローチャートに書き加えながら整理していった。

3.その事象と改めて向き合い、次に生きる反省点や改善点を吸収する

「2」で書きだしたものを元に、別れる原因(一つとは限らない)がどこで生まれ、どのようにして増大していったのかを考えていく。恋愛経験豊富な友人とディスカッションをしながら特定していった。

例えば、

「特定の一面だけを付き合う前に特に見せてしまっていたためその面に相手は惹かれており、他の面を受け入れられなかったため、付き合って私の他の面を知っていくうちにすれ違いが多発した」

という原因を特定した場合、次に生かす改善点としては、

「次は付き合う前にマイナス面も含め自分の様々な面を意図的に見せたり伝えたりすることで付き合った後の齟齬の生じる可能性を軽減してみる」

というものが考えられたりする。

この3ステップによって、自分の中で付き合う相手に求めるものや建設的な付き合いをするために自分がするべき言動を明確化でき、新たな恋に向かうための道しるべが得られるというわけだ。

さいごに

ちなみに、そんな筆者のステップ1は「編み物」にしようと思っている。これで、来年からの社会の荒波においても、上記の3ステップを自在に応用できるよう備える予定である。

フィードバックに折れて「自分のせいだ」「自分が悪いんだ」となる前に、自分の中での飲み込み方を明確にして「嫌なことを消化する」という行動を意識的にできるかどうか。多分そこが、高学歴、挫折知らずの学生に必要な「レジリエンス」なのではないかと思う。

アウトエリート編集部

アウトエリート編集部

若き異端児達の“自”論展開メディア「アウトエリート」編集部。ちょっとした瞬間や毎日の生活の中で役に立つ…かもしれない知的な情報を上手いこと編集して流していきます。

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