早大生発ゲストハウス「Tokyo Handsome boys!」が絶大な人気を得ている理由

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外国人留学生や観光客から絶大な人気を得ているゲストハウスがある。「Tokyo Handsome boys! (東京ハンサムボーイズ)」と称するこのゲストハウスを運営するのは、かつては特段の目標も無く、漫然とした大学生活を送っていたと言う早大生達だ。今回は、独自な発想と思い入れによるハウス運営で、日本を訪れる外国人を魅了する凸個性な現役早大生集団の素顔を取材した。

Tokyo Handsome boys!
早稲田駅の近くにあるゲストハウス。1人の早大生がとあるキッカケで運営を始めたが、次第に助けてくれる仲間が集い、今では彼らのハウスを訪れる外国人が後を絶たない。口コミで広まり、ついにはNewYorkTimesからも取材がきたとか…

こんにちは!

こんにちは!今日のために一生懸命キレイにしておきました!

そう言って迎えてくれたのは、リーダーで発起人のNさん。通されたリビング、いや、居間は生活感丸出しで非常に好感が持てたが、あまりにも生活感がありすぎて、

ここに訪れる外国人が後を絶たないって、本当なのだろうか?

と思ってしまうほど。

そこで、リーダーのNさんに話を聞いた。

ゲストハウスを始めたきっかけは、ベトナムで出会った1人の青年から

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その青年の名前は「ラム。」

僕は早稲田入学前、高校に2回入学しました。1度目は3日で中退。2度目は3ヶ月で中退。早稲田に入学後も毎日本当に適当に過ごしていました。そんな僕がこの「Tokyo Handsome boys!」を始めたのは、ベトナム旅行に行って、ある人と出会ったことがきっかけなんです。
 
ベトナムって、何をするにもパスポートを預けなくちゃいけなくて、それにビビって何もできずにいたところ、声をかけてくれたんです。

そうなのだ。海外ではパスポートの提出がデフォルトな場合が多く、初めての海外だとかなり抵抗がある。

パスポート提出はちょっと…と渋って何もできずにいた姿を見かねてか、ラムが声をかけてくれたようだ。

ラムと親しくなってからは、毎日一緒に遊んでくれた。普通の観光じゃとても行けないようなところ(自粛)にも連れて行ってくれたり、美味い飯までご馳走してくれたり…

そんなラムとの出会いはまさに千載一遇と呼べるものなのだが、当時は「こんないい人に出会えるなんて、俺って運がいいな!」程度にしか感じていなかったと、Nさんは語る。

ラムとの永遠の別れが転機に

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それからも数回ベトナムへ行って、ラムと遊んでました。ベトナムはマジで最高で、俺の第二の故郷だからとか有頂天になり、友達を誘ったりもして(笑)

確かに。現地に友人がいることほど安心できるものはない。
しかし、ラムには会えなかった。

27歳の若さで、ラムは亡くなっていた。

それを聞いた瞬間、自分にとってのベトナムが変わってしまって…なんか急に遠くなってしまったんです。そして、初めて気がついたんです。ベトナムが好きだったんじゃなくて、ラムが好きだったんだと。ラムとの出会いこそが、自分にとってかけがえのない出来事だったのだと。

「Tokyo Handsome boys!」の誕生

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どこの国でも、それは日本も含めてなんですが、ラムのように接してくれた人は居なかった。そんなラムに、どうすれば恩返しができるのか、そう考えたときに、自分もラムみたいになりたいって思ったんです。
 
本当に僕のことを考えて、ベトナムのリアルライフを教えてくれたラムみたいに。ベトナムを案内してくれているときに、冗談混じりにラムに言われた一言、「俺と出会わなかったら、ベトナムの何も知ることができなかったね」という言葉が忘れられないんです。僕も日本のラムになって、ラムへの恩返しを日本に来る外国人にしたいって。そう思ったんです。

「Tokyo Handsome boys!」立ち上げに馳せた想いについて、Nさんはそう語ってくれた。

「Tokyo Handsome boys!」のもてなしについて

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だからこそ、僕たちは宿泊だけを提供するゲストハウスではなく、ゲストと一緒に東京観光しながら楽しみ、一つ屋根の下で友だちのように過ごすことで、実際にかけがいのない友だちになり、ゲストにローカルでリアルな東京ライフを提供しています。
 
ラムがしてくれたように、その日初めて会ったゲストのために、どうすれば楽しんでもらえるかを四六時中考える。もちろんチケットの手配やガイドも自分たちで行います。

自分たちに出会ったことで知ることができる日本がある。自分が思ったように、ゲストにも「Tokyo Handsome boys! のメンバーと出会えたからこそ、日本をもっと好きになった」と思ってもらえるように。そんな思いでゲストと接していると語ってくれた。

「Tokyo Handsome boys!」を訪れる外国人たち

記念すべき最初のゲストはぶっ飛んだ2人

エイジェイとディラン。「World Class Art Thieves」という名で活動するプロミュージシャンだ。

エイジェイとディラン。「World Class Art Thieves」という名で活動するプロミュージシャンだ。

記念すべき最初のゲストはジャイアンみたいな2人でした。

何事も初めては緊張するものである。どんなもてなしをしようか、何をすれば喜んでもらえるのか、色々と思案しながら待ち焦がれ、迎え入れたゲストだったが…

  • 片手には常にビールを携える
  • 祭りを見れば勝手に飛び込んで踊る
  • 強面のおじさんに平気で絡む

など。いわゆる「大人のジャイアン」みたいな二人。

迎え入れたハンサムボーイズ全員が度肝を抜かれたとのこと。

だけど、これが逆に良かったんです。彼らと接して渋々手伝ってくれていた友人の意識も変わりました。俺も正式に参加する!って。

初めてのゲストを迎えるにあたり、「楽しませなくちゃダメだ」という気負いは少なからずあったはず。

しかし、そこに現れた二人は、「お前らが楽しめば俺たちも楽しい、だから楽しめ」という巻き込み型スタイルだった。

実際、最後には「お前らが楽しんでくれて、俺たちも最高に楽しかったぜ!」と、まるでゲストとホストが逆になったような一言を残してくれたとのこと。

この時に気がついた。無理に気負わず、ゲストと共に楽しめばいいのだと。ゲストハウスを運営する上で自分たちが心掛けるべきことを、改めて二人のジャイアンから学ぶことができた。

「Tokyo Handsome boys!」で活動するメンバーたち

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本当にいろいろな人がいます。外国人と話すのは初めてという学生もいるくらいです。でも、想いに共感してくれて「Tokyo Handsome boys!」に参加してくれたメンバーは、自ずと全員英語の勉強を始めます。

何を隠そうリーダーで発起人であるNさんが、メンバー内で1番英語ができないとのこと。

最初にゲストハウスを始めたときの英語は本当にひどかった…焼鳥はファイヤーバード、人力車はショートパンツピーポー、お祭りはエブリワンファニーダンシングと言った造語のオンパレード。単語を投げかけることしかできなかったんです。
 
ベトナムでハンサムって言われて、えっ!?ハンサムって英語なの!?とびっくりしてたくらいですから(あまりにも衝撃的でゲストハウスの名前にしたくらいです…)。
 
それでもゲストと楽しい時間を過ごすことが出来ていたし、ゲストにも「君たちは僕のことを一生懸命理解しようとしてくれる。それだけで十分だ。」と言ってもらいました。

実は英語嫌いだったNさんだったが、それでも英語の勉強を始めたのは、就活のためでも、資格のためでもなく、ただ、来てくれる愛すべきゲストのため、もっとゲストのことを理解できるようになりたい一心だからだと語る。

日本語が話せないゲストとのコミュニケーションに疲弊し、初日に途中で帰りたいとまで言っていたメンバーも、今では一緒に海外ドラマを見ながら英語脳を鍛えています。毎日どんな用事があっても英語の勉強をすることを欠かさなかった結果、2ヶ月でTOEICのスコアが250もあがっていました。

ゲストとコミュニケーションできない悔しさを本気で実感した時、本気で英語に向かう気持ちになれたようだ。

後悔のないコミュニケーションを取りたい気持ちがそこにはある。そしてラムに負けないくらいのガイド、もてなしがしたいから、自然といつもみんなで英語を猛勉強するようになった、と素敵な笑顔で語ってくれた。

今後の展望とまとめ

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ラムへの恩返しから始まったゲストハウス。

ゲストの増加とともに、他の早大生を含め周囲の助けも増える、という素晴らしい相乗効果を生み出し、メンバー個人の成長にもつながっている。

また、世界中のゲストに影響を与え、リピーター獲得にも成功し、早大の留学生として日本に帰ってきてくれたゲストもいるとのこと。

そんな「Tokyo Handsome boys!」の今後の展望について聞いた。

夢は、ゲストにまた日本に行きたい、そして友人知人に日本へ行きなよって言ってもらえるようにしたいと思っています。実はこれは叶いつつあって、あとはこれをもっと大きくして行きたいなと。
 
それを実現するために考えていることが、大きく3つありまして、1つは主婦による家庭料理の提供、2つめは年配の方との交流、そして3つめはハンサムボーイズのフランチャイズ化です!

運営メンバーは学生ばかりで、美味しいご飯を作ってあげることができない。その問題を解決すべく、ご近所の主婦の方に家庭料理を提供してもらうことを考えているようだ。

さらに1人暮らしのご老人とゲストの交流も考えているとか。これは知識や知恵を持っている年配の方とゲストを結びつけることで、日本の歴史、地域の歴史などを伝えると同時に、ご老人の孤独を癒してあげることも可能になるという計画。

そして最後は、なんとフランチャイズ化と来た。

聞けば、学生同士交流があるようで、

京都では「はんなりハンサムボーイズ」
大阪では「なにわハンサムボーイズ」
沖縄では「えいさーハンサムボーイズ」

「Tokyo Handsome boys!」で得たノウハウを提供し、全国各地にどんどん増やしていきたいと考えているとのこと。そうすれば東京だけでなく、日本全国で外国人を迎え入れ、ツアーでは得ることができない経験をしてもらうことが可能になる。

こうしてゲストハウスの運営を拡大し、東京オリンピックでは開会式に出場することも本気で考えてると、熱い想いも明かしてくれた。

これからも一段とハンサムな活動を期待しています。ありがとうございました!
こちらこそ、どうもありがとうございました!
We are handsome!!!

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アウトエリート編集部

アウトエリート編集部

若き異端児達の“自”論展開メディア「アウトエリート」編集部。ちょっとした瞬間や毎日の生活の中で役に立つ…かもしれない知的な情報を上手いこと編集して流していきます。

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